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この論点の解説
家賃や保険料などは、お金を払ったり受け取ったりする時期と、サービスを使った・提供した時期がずれることがあります。決算で、当期に属する分だけが費用・収益になるように直すのが経過勘定です。
4つの勘定の見分け方
経過勘定は4つあります。払った費用のうち来期の分は前払費用(資産)、受け取った収益のうち来期の分は前受収益(負債)です。まだ払っていないが当期に使った分は未払費用(負債)、まだ受け取っていないが当期に提供した分は未収収益(資産)です。「お金が先か後か」と「当期か来期か」を分けて考えると、どの勘定かが決まります。
前払・前受:払って(受け取って)いるが、来期の分
期中に1年分の保険料を払い、全額を費用にしていたとします。決算日の時点で、まだ使っていない来期の分は、当期の費用から外します。保険料を貸方で減らし、前払保険料(資産)を借方で増やします。受け取った家賃のうち来期の分は、受取家賃を借方で減らし、前受家賃(負債)を貸方で増やします。月数は、期間の始まりから終わりまでを数えて、来期にかかる月数を出します。
未払・未収:まだお金は動いていないが、当期の分
3月分の給料を翌月に払うなら、3月に働いてもらったので当期の費用です。給料(費用)を借方で増やし、払う義務として未払給料(負債)を貸方で増やします。土地を貸していて、2月分と3月分の地代を4月に受け取るなら、受取地代(収益)を貸方で増やし、未収地代(資産)を借方で増やします。
次の期の最初に、再振替
決算で作った前払・未払・未収・前受の勘定は、次の期の最初に逆の仕訳で元に戻すことがあります。これが再振替です。例えば未払家賃60,000円の再振替は、未払家賃を借方で減らし、支払家賃を貸方で減らします。こうすると、あとで家賃を払ったとき、借方の支払家賃と打ち消し合って、来期の費用が正しい金額になります。
仕訳の例
10月1日に、1年分の火災保険料48,000円を支払い、全額を保険料として処理していた。決算日(3月31日)に、翌期の分を月割で繰り延べる。
借方 前払保険料 24,000 / 貸方 保険料 24,000
10月1日から翌年9月30日までのうち、4月から9月の6か月分は来期です。48,000円×6/12=24,000円を、当期の保険料(費用)から減らし(貸方)、前払保険料(資産)に移します(借方)。
家賃は毎月末日に締め、翌月10日に支払う。決算日(3月31日)に、3月分の家賃50,000円が未払いである。
借方 支払家賃 50,000 / 貸方 未払家賃 50,000
3月分の家賃は、建物を使った当期の費用です。支払家賃を借方で計上し、払う義務を未払家賃(負債、貸方)にします。
2月1日に、6か月分の家賃120,000円を現金で受け取り、全額を受取家賃として処理した。決算日(3月31日)に、翌期の分を月割で繰り延べる。
借方 受取家賃 80,000 / 貸方 前受家賃 80,000
2月1日から7月31日までのうち、当期は2月と3月の2か月、翌期は4月から7月の4か月です。120,000円×4/6=80,000円を受取家賃(収益)から減らし(借方)、前受家賃(負債)にします(貸方)。
間違えやすい点
- 費用の側(前払・未払)と、収益の側(前受・未収)を取り違える間違いが多いです。払うほうは費用、受け取るほうは収益です。
- 月数の数え方を間違えないでください。期間の始まりと終わりを書き出して、決算日までと来期の月数を分けます。
- 前払と未払、前受と未収は、資産か負債かが逆です。お金を先に動かしたのか、まだ動かしていないのかで見分けます。
関連する論点:未収入金・未払金、貯蔵品(切手・収入印紙)、貸付金・借入金(利息)
ログインなしで解ける問題
- 問題1(H003-00):8月1日に、1年分の火災保険料36,000円を支払い、全額を保険料として処理して…
- 問題2(H091-00):当社は、持っている土地を月額40,000円で貸している。地代は3か月分ずつ後払い…