読み込んでいます…
この論点の解説
売掛金や買掛金を、電子債権記録機関に記録された「電子記録債権」「電子記録債務」という別の権利・義務に置き換える取引を扱います。記録されると、売掛金・買掛金は消えて新しい勘定に入れ替わります。
売掛金から電子記録債権へ置き換わる
掛けで売ったあと、取引先の承諾を得て電子債権記録機関に発生記録を請求し、記録されると、あとで受け取る権利が売掛金から電子記録債権に姿を変えます。権利そのものは同じ金額で続いていて、記録のしかただけが変わると考えてください。
この場面では売上はすでに記録済みなので、売上は出ません。電子記録債権(資産)が増えるので借方、売掛金が減るので貸方に書きます。商品を新しく売ったわけではない、という点が見分けの目印です。
買掛金から電子記録債務へ置き換わる
受け取る側の逆で、払う側では、買掛金として残っていた義務が電子記録債務(負債)に置き換わります。仕入先が発生記録を請求し、当社に通知が来る形が問題になります。
このときも仕入は記録済みなので出てきません。買掛金が減るので借方、電子記録債務が増えるので貸方です。債権側とは借方・貸方が反対になる点を確認しましょう。
掛けを経由せずに記録する場合
商品を売る時点で、代金を電子記録債権として受け取ることもあります。この場合は売掛金を経由せず、売上(貸方)と電子記録債権(借方)で直接書きます。仕入れる側も同じで、仕入(借方)と電子記録債務(貸方)です。
一部だけ電子債権にして残りを掛けにしたときは、電子記録債権と売掛金を分けて借方に並べ、売上は全額を貸方にします。問題文の「発生記録によって」という言い回しが、直接記録の合図です。掛けにするのか、直接記録するのかで、使う勘定が変わります。
期日になったとき
期日が来て代金を受け取ったら、電子記録債権を貸方で消し、入金先の預金を借方に書きます。払うときは、電子記録債務を借方で消し、引き落とされた預金を貸方に書きます。
普通の売掛金・買掛金の回収・支払いと同じ流れで、勘定の名前が変わっているだけです。ここでも売上や仕入は出てきません。すでに記録済みの取引の、代金の決済だけだからです。電子記録債権・電子記録債務は、期日までは貸借対照表に残り続けます。
仕訳の例
売掛金200,000円について、取引先の承諾を得て電子債権記録機関に発生記録を請求し、記録された。
借方 電子記録債権 200,000 / 貸方 売掛金 200,000
受け取る権利が売掛金から電子記録債権へ置き換わっただけなので、売上は出ません。増えた電子記録債権を借方、減った売掛金を貸方に書きます。
商品500,000円を販売し、代金のうち300,000円は電子記録債権の発生記録で受け取り、残りは掛けとした。
借方 電子記録債権 300,000、売掛金 200,000 / 貸方 売上 500,000
売上は全額の500,000円で貸方です。記録された300,000円は電子記録債権、残りの200,000円は記録機関を通さない掛けなので売掛金で、どちらも借方に書きます。
電子記録債務180,000円が期日になり、当社の当座預金から引き落とされた。
借方 電子記録債務 180,000 / 貸方 当座預金 180,000
期日に払ったので、払う義務の電子記録債務が消えて借方です。当座預金から出ていくので貸方に書きます。
間違えやすい点
- 売掛金を電子記録債権に置き換えるときに、売上を重ねて書いてしまう誤りに注意してください。売上は最初の販売で記録済みです。
- 電子記録債務に置き換わるのは買掛金です。借方と貸方の向きが、債権側と反対になるのを取り違えないようにしましょう。
- 掛けを経由せず直接記録する場合は、売掛金や買掛金を使いません。問題文に「発生記録によって受け取る」とあれば電子記録債権を直接使います。
関連する論点:売掛金・買掛金、貸倒れ(当期発生・前期発生、引当金の不足)、三分法(仕入・売上)
ログインなしで解ける問題
- 問題1(H093-00):得意先に対する売掛金200,000円について、取引先の承諾を得て、電子債権記録機…
- 問題2(H094-00):仕入先から、当社に対する買掛金150,000円について、電子債権記録機関で債権の…