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この論点の解説
商品の売買にかかる運賃を、誰が負担するかで仕訳が変わる論点です。当社が負担するのか、相手が負担するのか、それを当社が立て替えたのかを、取引の流れから見分けます。
仕入のとき、当社が払う引取運賃は仕入に含める
商品を仕入れるとき、運んでもらう運賃を当社が負担するなら、それは商品を手に入れるためにかかった費用です。仕入の金額に含めて、仕入を「商品代金+運賃」で書きます。
仕入先に払う買掛金は、商品代金だけです。運賃は運送会社に払うので、貸方は現金や預金で、後で払うなら未払金にします。
仕入の借方は商品代金+運賃、買掛金の貸方は商品代金だけ、と額が食い違います。この食い違いが運賃の分です。
売るとき、当社が払う発送費は別の費用
商品を売って、それを相手に送る運賃を当社が負担するなら、発送費(費用)として借方に書きます。売上は、商品の代金のままで、運賃を引きません。
運賃を現金で払ったなら現金が貸方、後で払うなら未払金(負債)が貸方になります。買うときの運賃は仕入に含めますが、売るときの運賃は売上に混ぜず、発送費として別に書きます。
相手が負担する運賃を当社が立て替えたとき
本来は得意先(または仕入先)が負担する運賃を、当社が先に払ったときは、あとで相手に請求できます。この立て替えた額は、あとで返してもらう権利なので、立替金(資産)として別に書くか、売掛金に含めるか、問題文の指示に従います。
売上や仕入の金額には、立て替えた運賃を含めません。
当社負担か、相手負担かの見分け方
問題文に「当社負担」とあれば、運賃は当社の費用(仕入に含めるか、発送費)です。「得意先の負担」「仕入先の負担」とあれば、当社が払っても費用にはならず、あとで請求できる権利になります。
同じ運賃でも、誰が負担するかを読み違えると、借方が費用か資産かまで変わってしまいます。問題文から、負担者と、支払い済みかどうかの2点を拾ってから書きましょう。
仕訳の例
商品300,000円を掛けで仕入れた。引取運賃4,000円(当社負担)は現金で支払った。
借方 仕入 304,000 / 貸方 買掛金 300,000、現金 4,000
当社が負担する引取運賃は仕入に含めるので、仕入は300,000円+4,000円=304,000円です。仕入先への買掛金は商品代金の300,000円だけです。運賃は現金で払ったので現金が貸方です。
商品100,000円を掛けで売り上げた。商品を送る発送費2,000円(当社負担)は現金で支払った。
借方 売掛金 100,000、発送費 2,000 / 貸方 売上 100,000、現金 2,000
売上は商品代金の100,000円のままです。送る費用は当社負担なので、発送費(費用、借方)にします。払ったのは現金なので貸方です。
商品70,000円を掛けで売り上げた。送料1,800円は得意先の負担で、当社が現金で立て替えて支払った。この立替分は立替金で処理する。
借方 売掛金 70,000、立替金 1,800 / 貸方 売上 70,000、現金 1,800
売掛金と売上は商品代金の70,000円です。得意先が負担する送料は、あとで請求できる立替金(資産、借方)です。払った現金は貸方です。
間違えやすい点
- 当社負担の引取運賃を、仕入に含めずに別の費用にしてしまう誤りです。仕入のときの当社負担の運賃は、仕入に含めます。
- 売上から発送費を差し引いて、売上を小さく書いてしまう誤りです。売上は商品代金のままで、発送費は別に借方に書きます。
- 相手が負担する運賃を、当社の費用にしてしまう誤りです。立て替えただけなので、あとで請求できる立替金(または問題文の指示の勘定)にします。
関連する論点:三分法(仕入・売上)、立替金・預り金(給料の源泉徴収、社会保険料)、未収入金・未払金
ログインなしで解ける問題
- 問題1(H009-00):商品60,000円を掛けで売り上げた。商品の発送費1,500円(当社負担)は現金…
- 問題2(H063-00):商品500,000円を掛けで仕入れた。また、この商品の引取運賃8,000円(当社…