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この論点の解説
現金を数えたら帳簿と合わなかったときに、原因が分かるまで差額を仮に置いておく勘定が現金過不足です。置いた差額を、原因が分かったとき・決算のときにどう片づけるかが中心になります。
合わないと気づいたら、まず帳簿を実際に合わせる
現金の実際の有高を数えて、帳簿の残高と違っていたら、帳簿の現金を実際の額に合わせて直します。足りなければ現金を貸方で減らし、多ければ借方で増やします。
相手の勘定は、原因が分かるまでの仮の置き場として現金過不足を使います。不足なら「現金過不足/現金」、過剰なら「現金/現金過不足」です。ここでは費用や収益にはしません。まだ原因を調べる余地があるからです。
原因が分かったら、現金は動かさず現金過不足を片づける
後日、差額の原因が分かったら、本来の勘定に振り替えます。現金はすでに実際の有高に合わせて直してあるので、ここで現金を動かしてはいけません。動かすのは、仮に置いた現金過不足と、本来の勘定だけです。
たとえば不足の原因が電話代の記帳漏れなら、借方に通信費、貸方に現金過不足です。仮に置いた分を反対側に書いて減らす、と覚えると向きを間違えにくくなります。
仕訳を書いたあとは、現金過不足の残高がいくら残るかを確認します。残りが0になれば、すべて片づいたことになります。分かった額は、本来の費用や収益ごとに別々の行で書きます。
決算まで分からなければ雑損か雑益
決算日になっても原因が分からない差額は、そのまま残さず、損益の勘定に振り替えて整理します。現金過不足が借方に残っているなら、現金が足りなかったということなので雑損(費用)にします。貸方に残っているなら、現金が多かったということなので雑益(収益)にします。
現金過不足の残高はこの仕訳で0になります。現金はすでに調整済みなので、ここでも動かしません。
決算での整理は、原因を調べ尽くしたあとの最後の処理です。期中に見つけた時点で雑損や雑益にしてしまうのは、まだ調べる余地があるので適しません。
一部だけ分かったとき
差額の一部だけ原因が分かり、残りは分からないまま決算を迎えることもあります。この場合は、現金過不足の残高全体を消しながら、分かった分は本来の費用(または収益)に、残りは雑損(または雑益)に振り分けます。
借方と貸方の合計が一致するか、足し算で確かめます。不足(借方残)なら「分かった額+雑損=現金過不足の残高」、過剰(貸方残)なら「分かった額+雑益=現金過不足の残高」になっているはずです。
仕訳の例
現金の実際の有高を数えたところ、帳簿の残高より5,000円多かった。原因はまだ分からない。
借方 現金 5,000 / 貸方 現金過不足 5,000
実際の現金が多いので、帳簿の現金を5,000円増やします(借方)。相手は、原因が分かるまでの仮の置き場である現金過不足(貸方)にします。
上の差額5,000円のうち、3,000円は手数料を現金で受け取ったときの記帳漏れと分かった。
借方 現金過不足 3,000 / 貸方 受取手数料 3,000
現金はすでに増やしてあるので動かしません。仮に貸方に置いた現金過不足を3,000円分だけ借方に書いて減らし、本来の収益である受取手数料(貸方)に振り替えます。
決算日になっても、残りの2,000円の原因は分からなかった。
借方 現金過不足 2,000 / 貸方 雑益 2,000
5,000円-3,000円=2,000円が現金過不足の貸方に残っています。借方で消し、原因不明の収益として雑益(貸方)にします。
間違えやすい点
- 原因が分かったときに、現金も一緒に動かしてしまう誤りです。現金は気づいたときに調整済みなので、分かったときは現金過不足と本来の勘定だけを動かします。
- 決算で、貸方に残った現金過不足を雑損にしてしまう誤りです。貸方残は現金が多かったので雑益、借方残は雑損です。
- 足りなかったのに、気づいたときの仕訳で現金を借方に書いてしまう誤りです。現金が足りない(減る)なら現金は貸方です。
関連する論点:小口現金(報告と補給)、普通預金・定期預金・複数口座
ログインなしで解ける問題
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